活動記録

梅津ようせいの、日々の活動の記録を綴っております。梅津ようせいをより身近かに感じていただけましたら幸いです。

自分の足跡をふりかえる

ホームページの模様替えにあたり、これまでの自分の足跡をふりかえる時間を持ちました。
「今まで自分は、どこで何を学んできたのか」。
自ずと、わが母校のホームページにも立ち寄らせて頂きました。

そうした中、思わず目にとまったのが蔵王一中・佐藤文昭校長先生が卒業生に贈ったメッセージでした。
蔵王一中に限らず山形の先生がたは、こうした想いで生徒たちと日々接し、見守ってくれている。
そんな事を思い出し、懐かしさとともに胸が熱くなりました。

このホームページにお立ち寄りいただいた皆様にも、佐藤先生の式辞をぜひ共有させて頂けると幸いです。

佐藤校長先生はじめ、先生がた皆様。
蔵王一中で学んだことは、私にとっても誇りです。

梅津ようせい


平成二十六年度卒業式  校長式辞

長かった冬も終わりを告げ、木々の花芽も少しずつふくらみはじめました。蔵王の裾野にも希望に満ちた春の息吹が感じられる頃となりました。

本日は、山形市教育委員会教育委員長 金村 勲様、PTA会長 閏間 光様、同窓会会長 松本文男様、教育振興会会長 金澤謙一様、同窓会顧問 荒井進様、学校評議員の皆様、第十七代校長 長谷川博明様、第十九代校長 東海林裕様、市議会議員 渡辺元様、学区内の学校の校長先生方、地域の皆様、PTA役員の皆様など、本校が日頃より、大変お世話になっている多くのご来賓の皆様方のご臨席をいただき、平成二十六年度、第六十八回卒業式を挙行できますこと、心からお礼申し上げます。

さて、ただ今、まぶしいほどの立派な態度で卒業証書を手にした、百四十二名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。皆さんは、蔵王第一中学校での三年間、いろいろな活動に精一杯取り組み、大きな成果をあげ、確かな成長を遂げてきました。

皆さんのことを語るとき、2年生の後半、生徒会を引き継ぎ、本格的に蔵王一中を引っぱっていこうとした頃からの成長には、目を見張るものがありました。心に強い思いがあって行動したときのパワーと心遣いに私は感心することしきりでした。そして、皆さんが最上級生となった今年度はじめ、皆さんの思いは、市の駅伝大会で見事に花開きました。

真夏の猛暑の日も、雪降る極寒の日も、早朝からの練習に耐えて力をつけた駅伝部の皆さんの頑張りは大変なものでしたが、それをサポートした人の協力、そして友のために声をからし、体をそり上げて、心を一つにして必死になって創りあげた、皆さんを中心とした全校生の大応援で、男女ともに県大会出場という、素晴らしい成績を収めることができました。ゴールとともに、応援していた生徒が感動の涙を流したということを聞き、応援の皆さんも選手と一緒に戦っていたのだ、これこそ、まさに共生の表れだったのだと思います。

最高学年となり、“声”のスローガンのもとに、全校生を引っ張る皆さんの活躍は続きました。

熱中症防止のため、水分を補給に注意しながら、練習方法や体力と技術力アップのために、いろいろな工夫を重ねてきた部活動。県・東北・全国の大会にコマを進めた部活もありました。「集え五色の闘志声で繋がる五軍の魂」のスローガンのもと短期間の中で軍をまとめ、各軍とも見応えのある熱戦と、甲乙つけがたい応援合戦を展開してくれた運動会。

そして、クラス全員の力を結集して、歌声はもちろん、心のハーモニーもよく響かせ、感動的な合唱を聴かせてくれた合唱コンクール。

これら、すべての活動を振り返ると、その熱気と感動がよみがえり、卒業生の皆さんの嬉嬉として躍動する姿が思い起こされます。

また、決して派手なことではないけれど、日々の仕事に黙々と取り組む人、具合の悪い人に温かい手をさしのべる人、みんなが去った後の教室を、人知れず綺麗に整えて帰る人など、友だちのため、学級・学校のためにコツコツと努力してくれた多くの人がいたことも忘れることはできません。このように、人がいやがるようなことに、前向きに取り組み、人のために力を注いでいこうとすることが、私たちが生きていく上で、とても大切なのだと思います、蔵王一中は、そのような多くの皆さんによって支えられているのだと、改めて感謝の気持ちで一杯になります。

そういう皆さんのことを間近に見て、後輩の一、二年生は、きっと、憧れと尊敬の思いを持ったに違いありません。一、二年生が雪が降った朝に、生徒会リーダーを中心に除雪の活動を行ってくれたり、三年生の学習の迷惑にならないように静かな環境づくりに配慮してくれたりしたことは、卒業生の姿が在校生を動かし、一つの伝統となって、しっかり受け継がれていくのたろうと思います。

現在の皆さんを見ていると、本校が大切にしているキーワードの共生、感動を全ての活動で実践し、活動を重ねるごとに、確実に自立を深め、今日火を迎えているように思います。

さて、そのような皆さんの卒業にあたり、はなむけの言葉を贈ります。

一つ目は、「命を大切に・自分を大切に」、ということです。皆さんが小学校を卒業直前に東日本大震災が発生しました。皆さんと同じような中学生が家族も友だちも先生も学校も、一瞬にしてもぎ取られてしまってから、もう四年もの月日が経ちました。自分の未来に希望を語ることさえも絶たれ、そのご家族もその夢に関わっていく喜びを絶たれてしまいしました。

人は皆、祝福され、望まれてこの世に産まれてきます。それは、卒業生の皆さんも同様です。しかし、身近に起きた悲惨な震災のことを思うとき、私たちは、命の重みをしっかり受け止め、生かされている命を大切にし、命の限り生き抜き、自分の命や自分自身をこれからも大事にしなければならないと思わずにいられません。自分の命はもちろん、周りにいる方々をも大切にし、力を合わせて、新しい社会を作っていってください。

二つ目は、「次のステージでも、大人になる挑戦を続けてほしい」ということです。本校は、「大人になるための学校」ということを、入学式の時から話してきました。今、皆さんは立派に成長し、すぐに社会に出ても遜色はないように思えます。しかし、現状に満足することなく、より素晴らしい人間、もっと大きな大人になるために、人間性をこれからも磨いていってほしいと思います。

ここで、私の尊敬する作家、伊集院静氏が書いた詩の一部を紹介します。

 上り坂と、下り坂があれば、上り坂を行くんだ。
 甘い水と、苦い水があれば、苦い水を飲みなさい。
 追い風と、向かい風なら、断然、向かい風を歩くんだ。
 どうして辛い方を選ぶかって?
 ラクな道、甘い水は君たちに何も与えてくれないし、
 向かい風の中にだけ他人の辛酸の声が聞こえるんだ。
 真の大人というものは、己だけのために生きない人だ。
 誰かのためにベストを尽くす人だ。
 金や出世のためだけに生きない、卑しくない人だ。
 品性のある人こそが、真の大人なんだ。

皆さん、胸を張り、プライドを持って生きる、真の大人になって下さい。

これからの皆さんの人生を考えると、決して楽なことばかりではなく、自分の思い通りにいかない時もあろうかと思います。しかし、そんなときこそ、その人の真価が問われます。その時に、どう立ち向かうかがその後の人生に大きな影響を及ぼすものです。自分が選んだ道が間違っていないか、と迷う生き方ではなく、進んだ道が間違っていなかったという生き方をすることが大切だと思います。

今後、思い悩む時も、蔵王一中の思い出が、きっと、皆さんを励ましてくれ、蔵王一中での体験が進むべき道を示してくれるはずです。皆さんは、これまで、打ちのめされた苦しさを優しさに替え、悔し涙を逞しさに替えて、成長してきました。新たなステージでも、臆することなく、自分のよさや力に自信を持ち、勇気を持って一歩踏み出してください。

卒業生の皆さん、今日の感動の日を迎えられたのは、、皆さんの活動をいろいろな場面で応援いただいた来賓の皆様方、学習・諸活動を通して支え、導いてくれた先生方、一緒に泣き、笑い、心をぶつけ合ってともに成長を遂げてきた友だち、そして、何より、皆さんを産んで下さり、いつも温かい愛情で包んでくださった家族の皆様。本当に多くの皆様から支えていただいたことを、決して忘れないでください。

保護者の皆様に申し上げます。このたびは、すべての愛情をかけて、慈しみ、育んでこられたお子様のご卒業、誠におめでとうございます。立派に成長されたお子様の姿をご覧になり、感慨も一入かと存じます。義務教育のまとめの三年間、本校に対して、多くのご支援、ご協力をいただき、改めて感謝申し上げます。今後とも、お子様の夢の実現に向けて、寄り添い、見守り、温かく、力強く支えていただければと存じます。卒業生に輝かしい未来が訪れることを、心よりお祈りいたします。

今や、すっかり立派な成長を遂げた、卒業生 百四十二名の皆さんは、私たちの誇りであり、希望であります。その卒業を改めてお祝いし、卒業生の皆さんが、蔵王一中卒業という誇りと自信を胸に、学年の名前のように、どこまでも続く「大空」を、伸びやかに、逞しく羽ばたいてくれることを心から祈念しています。

最後に、卒業生の皆さんへの万感の思いを込め、小山薫堂氏作詩による「ふるさと」という歌を贈ります。

平成二十七年 三月十六日  

山形市立蔵王第一中学校長   佐藤文昭

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蔵王第一中学校ホームページ
(https://www.zaodai1-j.ymgt.ed.jp/)